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七瀬ふたたび(筒井康隆さん)エロいです
最近のマイブームは超能力とハードボイルドとミステリーと謎の組織モノ。
後半3つは明らかにコナンの影響ですが。
そんなわけで愛読書『七瀬ふたたび』(著:筒井康隆)を読み返して見た。
これはぜひともラノベ好きハルヒ好きコナンも好き!という人におすすめしたい。あと絶対可憐チルドレンとか。
テレパス(精神感応者)の美少女七瀬と幼い少年ノリオ(3歳)。
サイコキノ(念動力)の黒人ヘンリー
タイムトラベラー(時間遡航者)藤子
プレコグ(予知能力者)恒夫
がそれぞれ出会って、特殊警察に追われ・・・・・・。かなりBADEND.救いなんてあったもんじゃない超絶ばっとえんど。しかし、それが言いたいんじゃなくて。
エーーロティーーーーッツク!!
超エロス。そして超萌え。
これを最初に読んだのは小学校1年生だったと思う。きっとわけわからなかったはず。ベッドシーンとか。本格SFや推理小説にはまる小学校一年生ってどうなのよ。エロいです。えろすぎです。げふげふ。
何がエロいって主人公のテレパス(人の心が読める能力者)七瀬は超美女。だから、七瀬は男の人に自分が犯される妄想を嫌でも見せられるんですよ。まずそこがエロス。しかも3歳のノリオも同じ能力者だからそういう場面を見せつけられている。「この人、七瀬おねえちゃんにひどいことしようとしてる」って、その行為の意味がわからない幼い子供もそういう妄想を見せられる。なんだか萌えます。
あとは17歳のタイムトラベラー藤子ちゃん。この子も何度も時間をいったりきたりしてるから大人っぽい。
で七瀬を中心にエロスありアクションありの事件に行く先々で巻き込まれていくという話です。
ライトノベルにもなりそうなこの文学作品、書かれたのが1972年。わぉ。
救いもない、暴力シーン性描写ありのこの作品、しかし「萌え属性」は抑えているからなあと。
まだ見たことのない人はぜひよんでみてください。
ハルヒにはまる人もぜひぜひ。
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超殺人事件:東野圭吾さん
買ったのにまだ読んでない本を紐解いてみました、なんの紐だよ。
(本の山をくずすとも言います)。
推理小説業界にまっこうから挑戦した短編集です。
以下ネタバレ全開
一作目の『超税金対策殺人事件』は昔、『世にも奇妙な物語』でドラマ化されてます。
コンセプトは、税金対策に困った推理作家がハワイ旅行やアルマーニのスーツやらを経費で落とそうと奮闘する話。「取材費」として落とすためには作中に登場させなければならない、ということで・・・・・・。
二作目「超理系殺人事件」これはぜひとも理系の人に読んでもらいたいのでネタバレはしませんw
さあ読め!!ちなみに私は超文系人間ですのでひっかかりませんでした。
三作目「超犯人当て殺人事件」あるベストセラー推理作家が山荘に4人の編集者を別々の出版社から集める。そしていわゆる「問題編」をその4人に見せ、犯人を見事推理したら次回の長編作品の出版権をその当てた編集者にあげようと。・・・・・・はい、オチが見えましたね。
4作目「超高齢化殺人事件」これは推理作家がもう90歳でだんだんぼけて話が破綻するって話なんだけど・・・・・・。なかなか興味深いです。
ちょっと引用してみます
「21世紀に入って日本人の読書離れは一層激しくなり(略)そのため若い人間で作家になろうなどという者もめっきり減ってしまった。ここ数十年、小説界で活躍している顔ぶれはほとんどかわってない。つまり30代40代だった作家達が、そのままスライドして今も書き続けているのである。そして読者もまた、同じように年老いていた。新たな読者は全く増えていないといっていい。現在本を買っている読者たちの顔ぶれもまた、数十年前と同じに違いなかった」
これが書かれたのは6~7年前。今はだいぶ状況が変わってますが・・・・・・たしかに純文学やいわゆる本格ミステリを好む人といえば確かにそうなのかな、と。ちなみに私はライトノベルが大好きです。
そしてお話は続く。筆者(90歳)はどんどんぼけて、被害者の名前がころころかわる、死んだはずの被害者が生きている、森の中でころされたはずなのにいつのまにか密室殺人の謎解きになっているetc・・・・・・
そして話の最後には、関係者全員を屋敷の一室に集め名探偵が謎解きをするという某バーローなんかでもおきまりのシーン。「今回の犯人は・・・・・・」という場面で一転、謎解きはすっとばされ、いきなりゲートボールの試合に行く登場人物達。
ラスト「お前の分まで頑張るからな――探偵は空に向かって誓ったのだった」
ちょwwwwwwwそれなんてジャ○プの打ち切りの最終回wwww
ボケ作家をネタにしたギャグともとれるけど、なんか裏に流れる深いものを感じとりました。探偵がちゃんとした推理をしなくて許されるミステリはネウロだけです。まさにブラックユーモア
5作目「超予告殺人事件」これはまあ。ありえる・・・かな?純粋にミステリとして面白かったのでネタバレなし。
6作目「超長編殺人事件」いまは長ければ長いほど本が売れる!!売れれば中身なんてどうでもいいんだ!と薄っぺらい中身の本を皮肉った作品。
売れない作家が、担当の編集さんに言われ、長く改稿する。
たとえばこんな感じ。
元
「以上が私の推理です」和賀は低い声で推理をしめくくった。そしてあらためて佐不利婦人を見つめた。
→改稿後
「以上が私の推理です」和賀は低く響く声で長い推理を締めくくった。これほど長く語るのは学生以来の代論大会以来だった。しかし今の彼はあの時以上に疲れていた。肉体が疲れているのではない、心が疲れはてているのだ(以下略)
たった元は3行なのにあまりに長い。こんな描写がずっと続きます。
でもこれ読んだときにあまり違和感なかった。最近こんなこんな小説が多すぎるのかもですね。そして私自身小説を書いている時、いかに行数稼ぎをするか考えている気もします。反省。
そして水増ししてページを倍にしたあとも作家の苦悩は続きます。
次は野球ミステリーを書くことにする作家。運命の一球をピッチャーが冒頭で
なげます。
そこで担当さんが一言。
「一球投げるまでにの間に最低原稿用紙100枚は書いてください」
これではまるで一球に3週間ほどかかるどこかの週刊野球漫画みたいです。
こうして超長編を書き上げた主人公。しかしまだまだ薄い本を厚くする手段は
あったのだ。
「句読点ですべて改行してください!」
「それじゃページの下半分がスカスカになっちゃうぞ」
「その方が読者にとっても読みやすいんです!!」
それなんてライトノベry
「活字を大きくして行間をなるべくあけましょう!!」
それなんて最近の有名新書wwww
「さらに10ページに一枚は挿絵をいれましょう!!!!」
それなんてry
もうつっこむのも疲れました。
でも今の出版業界はまさにそれかと。
セカチューしかり、さおだけやしかり、ライトノベルしかりです。
しかし読者の側にも問題はなげかけられてます。それは最終話の「超読書機会殺人事件」から引用します。
「今の世の中、のんびりと本を読んでいられる余裕のあるものなどいやしない。本を読んでいないという罪悪感を覚える者、本好きであったという過去に縛られているもの、自分を少々知的に見せたい者などが、書店に足を運ぶにすぎない。彼らが求めているのは本を読んだ、という実績だけなのだ。(中略)本をあまり読まないくせに作家になりたがる者が増えている。(中略)本という実質は消えつつあるのに、それをとりまく幻影だけがやけに賑やかだ。」
なんだか考えさせられる話です。これが6年前に書かれたと言うことは、その時からもうこうだったのでしょうか。
ちなみにこの話の一つ前、「超最終回ラスト5ページ」はその名の通り「作者急病のため・・・・・・」という打ち切りネタのパロディです。
超おすすめです。
ごった煮お雑煮レビューサイト。お気に入りはハルヒ・ラノベ・ジャンプ・801・たまに創作二次創作